よくある家出・失踪パターンときっかけ
短絡的家出
小・中・高校生の場合、親に叱られたという理由が多く、親に心配させてやろうという気持ちから、最近良く耳にする「プチ家出」という軽い気持ちで、本人も深刻になっていない傾向が見受けられます。
「彼氏(彼女)とずっと一緒にいたいだけ」という理由も少なくはありません。
高校・大学生の場合、勉強や受検の苦しみから逃れる為や、異性関係とうまくいかない為、一時の享楽「もっと遊びたい」「自由になりたい」という理由があるようです。
夏休みなど長期休み中の家出は、大半が異性(交際相手)が関係する内容となっています。
同じく「自由になりたい」「好きに遊びたい」といった理由からになるでしょうが、犯罪に巻き込まれる危険の多い繁華街に近づくことも多く、女子の場合、性犯罪に巻き込まれる可能性や、男性関係がからむと妊娠してしまうなどといった結果も多くあります。
夏休み(長期休み)中の家出については、ご両親も「休みが終わるまでには帰るだろう」との考えをお持ちの方が多いのですが、「もっと早く探していれば・・・」という結果になることも少なからずあることから、早めの対応をお勧めしています。
中高年の場合は、「なにごとにも嫌気がさして」「だれも知らない所に行きたい」「責任を負いたくない」など一時の無責任な感情で、大体は家出した後に後悔していることが多いようです。
突発的家出
事業・職業の場合、経理や営業に多く、監査などが入る情報により、事実が明らかになった時を考え逃亡するケース。
異性関係の場合、会社内外の不貞行為が発覚し、相手の配偶者から問い詰められ、責任も負えない為、家に帰らなくなり、会社にも行けなくなる。
疾病の場合、検診で思わしくない結果であった場合などに、自己判断で重病と思い込み、悲観的になっていまう傾向があり、自殺の可能性もありえます。
いずれも、残された家族のことを考えず、突然に家出をしています。
計画的家出
異性関係の場合、愛人の所に理由を付けて泊まるようになり、やがて家に帰らなくなり、本人、浮気相手と二人で計画して家出(駆け落ち)をする。
その場合は、新しい土地で新たな生活をしようというつもりであり、離婚の意思は固い。
また、短絡的な家出と思われても、本人からすれば実は計画的な家出であるケースも少なくはありません。
学業への自信喪失や就職先への不満といった理由で、「親に相談しても我儘だと言われるだけ」と考え、自分なりに失踪先の住居や職を予め見つけておき、荷物は多くなくとも必要なものを準備して出掛けていることも多いのです。
調査依頼時にお伺いする情報項目
- 誰かに対して残されたメッセージがあったか
- 普段の生活でヒントになる場所、気になる場所を言っていなかったか
- 調査対象者が使用した電話やパソコンの履歴などの情報
- 使える(持出せる)お金はどのくらいあるか
- 移動手段はなにがあるか
- 異性関係を含む交友関係
- 同行者がいそうかどうか
- 服装や荷物はどのようなものか
- 家出した時の時間
- 家出後の目撃者の存在
- 部屋に手がかりになる物(メモ・日記・レシートなど)
- その他、調査対象者に関するあらゆる情報
プチ家出の場合、罪の意識が低い為、自らの意思で行方をくらます大人と比べ、手がかりを残す可能性が高くなります。
調査をご依頼頂く前に捜索願の提出をお勧めしています。
行方不明者捜索の実情
警察は自殺の可能性が高い事案や事件性でも確認されない限り、1人1人の家出人や行方不明者を探してくれません。
家出や失踪をされた本人の自由意思で行われたことである以上、いくらご親族が心配されたとしても、民事の扱いとなることから、探さないのではなく、税金や国家権力を使って探すことはできないからです。
その為に、民間の調査会社である我々探偵がいるのです。
近年の家出・失踪状況について
まずは平成18年の警察白書データをご覧ください。
全国の警察が受理した家出人捜索願の件数は89,688人で、性別では、男性が56,889人で全体の63.4%を占めております。
注目すべき点は家出人捜索願受理件数の総数は減る傾向にあるにもかかわらず、特異家出人が全体の36.2%を占めており増えています。
特異家出人が増えた理由として、自殺者が増えてきていること、特に高年齢層に増えてきていることに注目しなければなりません。
自殺者数が増えた原因として、高齢化社会や高所得者と低所得者の格差問題があります。
2007年問題で団塊の世代の退職者が増えたことや、高年齢者の就職難も原因と言えるでしょう。
また、最近の若者による「集団による練炭自殺」がインターネットで騒がれ始めた時期で、インターネットや携帯サイトで自殺志願者達を呼びかけて、模倣的な自殺者が増えたことも原因のひとつであります。
行方不明者数に大きな変動なし
これに対し、平成27年全国の警察が受理した家出人捜索願を受理した件数は82,035人で、性別では、男性が53,319人で全体の65%を占め、成人・少年別では成人が28,716人で全体の35%の構成比になっており、若干の減少傾向にはあるものの、10年間で大きな変動はない事がおわかりいただけると思います。
年齢別では「10歳代」が17,071人で20.8%と最も多く、次いで「20歳代」「30歳代」の順になっていますが、「70歳以上」との括りでいえば16,681人で20.3%を占め高齢者の行方不明が目立ちます。
原因・動機としては、その他を除き、「疾病関係」が18,395人で22.4%、うち認知症又はその疑いによるものは12,208人(14.9%)と年々増加傾向にあります。
次いで「家庭関係」の16,115人(19.6%)「事業・職業関係」の9,382人(11.4)、そして「学業関係」「異性関係」の順となっています。
数値にない金銭問題からの失踪
しかし、お気付になられた方もおられると思いますが、家出や失踪の理由に誰もが頭に思い浮かぶ「金銭の貸借」というものがありません。
上記の数値は「届出がなされた行方不明者数」であることから、金銭問題が絡んだ家出・失踪は届出がなされにくい傾向がある為、数値には現れないといえます。
ですが、どの項目にも大小様々な金銭が絡んでいることは間違いないでしょう。